──リアルな親子の葛藤と現場から見えた「本当に役立つ関わり方」
1. 親も悩む、IB家庭の“リアルな日常”
IB受験は親にとっても「未知の世界」です。
最初は「子どもを応援したい」「できる限りのことをしてあげたい」と思っていたはずが、日々の会話がだんだんギクシャクしていく…そんなご家庭は本当に多いです。
たとえば、ある家庭の夕食後の会話。
母:「最近どう?IA進んでる?」
息子:「うん…まあ…」
母:「“うん”じゃ分からないよ。締切近いんでしょ?」
息子:「分かってるってば!もう言わないで!」(語気が強くなる)
その瞬間、テーブルに気まずい沈黙。
親は「心配してるから聞いてるだけなのに」と思い、子どもは「分かってくれない」と感じて部屋へこもる――
これは決して特別なケースではなく、多くのIB家庭で毎日のように起きている現実です。
2. 正論や善意が“響かない”、むしろ逆効果になる現実
親としては「子どものため」と思ってのアドバイスや声かけ。
- 「7を取るためには毎日計画的にやりなさい」
- 「過去問、もっとやってみたら?」
- 「他の子はもうIA終わったってよ」
でも、IB生の多くは「分かってるよ。でも、その通りにできないから苦しいんだ」と思っています。
IBの世界は、日本の受験や定期テストと根本的に違う“自己管理”と“自発性”が求められます。親の「アドバイス」が、そのまま役立つ場面は実はほとんどありません。
現場でよく聞く親の悩みも…
- 「子どもが何をやっているのか、全然分からない」
- 「課題が出ているかも、親に説明してくれない」
- 「成績も英語も難しくて、サポートできていない気がする」
- 「がんばってほしいのに、どう関わればいいのか分からない」
こんな“壁”にみんなぶつかっています。
3. 実際にあった「親のサポート」が裏目に出た具体例
ケース1:“スケジュール管理”の押し付けで親子バトル
母親は「今週はEEのアウトラインまで終わらせよう」とToDoリストを作り、
毎日「今日はどこまで進んだ?」と確認。
→子どもは「いちいちうるさい」と反発。「自分のやり方でやりたい!」と感じて余計にやる気をなくす。
母親は「本当にやってるか不安で、つい口出ししてしまう」。
結果:親も子もイライラ、家庭内の空気はピリピリに。
ケース2:“友達と比べる”ことで自信喪失
「〇〇くんはもうIA終わったらしいよ」
「△△ちゃんは毎日3時間勉強してるって」
→子どもは「自分はダメなんだ」と自己否定。やる気がどんどん下がる。
(実際は、その子も悩んでいるのに、親は“他人の成功例”ばかり耳にしがち)
ケース3:“全部見守る”も逆効果なことも
「もう子どもに任せよう」と親が一切口出ししなくなった場合、
子どもが明らかに追い詰められていても「大丈夫?」としか言えず、
子どもは「本当は助けてほしいけど、どう伝えたらいいか分からない」状態に。
4. Lead Campus現場で本当に効果があった親のサポート
(1)「聞く」ことだけで十分。アドバイスは不要
IBの課題は本人も「正解」が分かっていません。
親が「どう進んでる?」「何が大変?」と“聞くだけ”に徹することで、子どもは「自分の頭で考える」時間ができ、話しながら整理していきます。
例:
「最近で一番めんどくさかったこと、何?」
「今どこが一番ストレスになってる?」
※親は「アドバイス」や「こうしたら?」を封印。
“答え”を出すのは子ども自身です。
(2)「できたこと」だけを具体的に褒める
「IA進んだね」「昨日はいつもより早く机に向かってたね」など、
小さな“事実”に気づき、具体的に言葉で認めることが、自己肯定感を底上げします。
例:
「昨日、夕飯前に英語やってたね」
「友達に相談できたって言ってたけど、それ結構すごいことだよ」
“偉いね”だけではなく、「何をどう頑張ったか」に気づいてあげるのがコツです。
(3)“相談できるきっかけ”を作ってあげる
親子だけだと本音が出ない…というご家庭も多い。
Lead Campusの家庭でも、
「家庭教師や先輩など、親以外の相談相手ができて、子どもが自分から話すようになった」
「親が“分からないことは一緒に聞いてみよう”と提案したら、子どもが安心して相談できた」
という声が多いです。
“家庭内だけで全部解決しようとしなくていい”。
分からないときはプロや経験者に頼るのも立派なサポートです。
5. じゃあ、親はどんな「心の持ち方」でいればいい?
「全部分かろう」としなくていい
IBの課題や仕組みは、現役教師でも難しい。「分からないことは分からない」と素直に認めてOKです。
「全部コントロールしようとする」のではなく、「自分にできる“最小限”だけやる」と気持ちを切り替えると、親も子も楽になります。
「心配」と「応援」は違う
心配=否定・指示になりやすい。
応援=「いつでも味方」「困ったら助けるから今は見てるよ」と伝えること。
例:
「大丈夫、失敗してもあなたはあなたのままだよ」
「困った時はいつでも言ってね」
「悩んでいるのはあなただけじゃないよ。私も同じくらい分からないから一緒に悩もう」
6. 親子関係が本当に変わった実例(Lead Campus利用者の本音)
【Aさん(母)とBさん(息子)のケース】
Aさんは毎日「早くやりなさい」「間に合わないよ」と声をかけ、
Bさんは「うるさい」「もう黙ってて」と部屋にこもる日々。
Lead Campusで「一度、一週間だけ何も言わない」を実践。
最初はBさんもダラダラしていたが、「親が何も言わなくなって不安になった」と自分から計画を立てるように。
Aさんも「やらなきゃいけないことを本人が自分で考えるようになった」と感じた。
その後は「今日どうだった?」と“結果”より“気持ち”を聞くようになり、
「ダメでもいいから何でも言ってね」「うまくいかない時は一緒に作戦を考えよう」と伝えたら、
Bさんから「明日Lead Campusの先生に相談したい」と自分から話してきた。
最終的にはIB卒業後、「親がうるさくなくなったのが逆にやる気になった」と息子自身が話してくれた。
7. 子育て論にもつながる「親の役割」とは
親ができることは「解決」でも「管理」でもなく、
- 「聞く」
- 「見守る」
- 「少しだけ褒める」
- 「外部の相談機会を用意する」
これだけで本当に十分です。
IB生にとって「家が心のセーフティーネット」であり、「何もできなくても認められている」と思えたとき、
一番大胆に挑戦し、最後までやり抜く力が出ます。
親自身も「何とかしなきゃ」と一人で抱え込まなくて大丈夫です。
Lead Campusでは、親御さん向けの無料相談もありますし、
「家庭だけで抱え込まずに、外部の力を借りる」のも賢い選択です。
まとめ
IB受験の親の役割は、“進捗管理”や“アドバイス”を超えて、
**「信じて待つ」「一緒に悩む」「成長を見守る」**という本質的な子育ての在り方とつながっています。
子どもは「愛されている」「どんな時も味方がいる」と思える時にこそ、本来の力を発揮します。
迷ったときは「今日あった小さな成長」に目を向け、優しい言葉をかけてあげてください。
「親も子も一緒に成長できるのがIB」
Lead Campusは、あなたの家庭を“ひとりぼっち”にしません。
困ったときは、どうぞ一度ご相談ください。