【保存版】大学の帰国子女・国際バカロレア(IB)入試スケジュール完全ガイド

― IB生・海外校出身の親が知っておきたい、1年間の流れと支え方 ―

海外での高校生活を終え、日本の大学進学を考えるご家庭が増えています。
しかし、いざ帰国子女入試となると「いつから何を準備すればいいの?」「一般入試とはどう違うの?」と、戸惑う方も多いはずです。

特にIB(国際バカロレア)で学んできたお子さんの場合、授業の仕組みや成績の出方も一般的な日本の高校とは違うため、
親としてサポートしたい気持ちはあっても「どこをどう手伝えばいいのか」が見えにくいですよね。

この記事では、そんな親御さんのために、大学の帰国子女入試の流れを1年単位でわかりやすく解説します。
また、IB生がどんな準備をしているのか、どんな時に支えが必要なのかも丁寧に紹介します。


帰国子女大学入試の全体スケジュール(4月入学目標)

日本の大学の帰国子女入試は、一般入試よりも約半年早く進むのが特徴です。
多くの大学では、前年の夏〜秋に出願、冬〜春に試験・合格発表という流れです。

IB生の場合、5月(May session)または11月(November session)のFinal Examを終えて、
出願時には正式なFinal Grade(本スコア)を提出できるという点が大きな強みになります。

つまり、受験の準備期間中に「学校の勉強と入試対策を両立する」必要がないという点で、
精神的な余裕を持ちやすいのです。
ただし、そのぶん書類準備やスケジュール管理の重要性がぐっと高まります。


【前年 5〜8月】大学調査と書類準備のスタート

この時期は、まだ出願が始まる前。ですが、実は1年間の中でいちばん大切な時期です。

多くの大学では、7月〜8月ごろからオンライン出願が始まります。
このため、5月から夏の間に「どんな大学が帰国子女枠を持っているのか」「出願にどんな書類が必要なのか」をリストアップしておくことが重要です。

✔ やること

  • 各大学の募集要項を調べる(前年分をダウンロードして比較)
  • 成績証明書・在籍証明書・帰国証明・推薦書などの書類を準備
  • TOEFL・IELTSなどの英語資格を受験
  • 志望理由書やPersonal Statementの下書きを始める

IB生の場合、5月試験を終えた後に7月にFinal Grade(正式スコア)が発表されます。
このスコアは出願にそのまま使えるため、非常に大きなアドバンテージになります。
特に慶應や上智など一部の大学では「Predicted(予想成績)」よりも
Final(確定成績)を重視する傾向があるため、早期に卒業したIB生はスムーズに出願準備を進められます。

また、この時期にSATやACTなどのスコアも確定させておくことをおすすめします。
秋以降は出願や面接の準備で忙しくなるため、「夏までにすべて整える」が理想的なスケジュールです。


【9〜12月】出願・書類審査・一次試験の本番

秋になると、大学入試の動きが一気に本格化します。
この時期は、IBを終えて数か月が経ち、少し気持ちが緩む頃でもあります。
しかし、ここからが受験本番の第一歩です。

✔ 主な大学の流れ(例)

  • 慶應義塾大学:7〜8月出願、9〜10月に一次・二次選考
  • 早稲田大学:8〜9月出願、10〜11月に筆記・面接
  • 上智大学:8月出願、10月面接・12月合格発表

出願では、書類の提出形式や推薦書の指定など、細かな違いが多く、
「この大学はPDF提出OKだけど、こっちは原本郵送」など混乱しがちです。

親御さんがこの時期にできる最大のサポートは、スケジュール管理のサポートです。
書類の締切日や提出方法を一緒に確認してあげるだけでも、お子さんの安心感は大きく変わります。

また、IB生の中には「英語の書類は得意でも、日本語での志望理由書が難しい」という子も多いです。
そんな時は、内容を一緒に読んで「あなたらしい表現になっているね」と声をかけてあげると、
“親に理解してもらえている”という安心感が生まれます。


【1〜2月】最終試験・面接・合格発表

年明けは、国公立大学の帰国子女特別選抜や、私立大学の最終面接が重なる時期です。

IB生にとってはすでに高校を卒業しているため、受験に集中できる貴重な時間になります。
特に面接では、IBで培った「自分の考えを論理的に伝える力」が強みになります。

「Extended Essay(EE)のテーマを通して学んだこと」
「TOKで考えた“知識とは何か”という問い」

こうした経験は、日本の面接官にとっても非常に印象的です。

親御さんができることは、焦らせないこと
“どうだった?”ではなく、“どう感じた?”と聞いてあげるだけで、お子さんは安心して自分の力を発揮できます。


🌸【3〜4月】合格後の手続きと新生活の準備

合格が決まると、いよいよ新生活のスタートです。

しかし、入学手続きや住居探し、転出入の届出など、意外とやることが多く、「合格してからのほうが慌ただしい」と感じる親御さんも少なくありません。

この時期は、少し肩の力を抜いて「次に向かう時間」を一緒に過ごすことが大切です。受験を乗り越えたお子さんは、もう“子ども”というより、次のステージに進む“若者”です。
努力を認め、「よくここまで頑張ったね」と伝えることが、何よりのエールになります。


大学帰国子女入試で重視される3つの力

① 言語と論理の両立力

帰国子女入試では、英語力だけでなく「日本語で自分を表現する力」も見られます。
IBの経験を踏まえ、両言語を使い分けながら“自分の考え”を語る姿勢が求められます。

② 自分を語る力

多くの大学がエッセイや面接で「あなたはどんな人ですか?」を問います。
親御さんが“この子はこういう価値観を持っている”と理解しておくと、家庭での会話の中で自然とサポートできます。

③ 誠実さと主体性

IB生のエッセイやEE(Extended Essay)は「自分の意見を持つこと」が評価されます。
“完璧な答え”ではなく、“自分の言葉で話すこと”が最も大切です。


親ができる3つのサポート

① スケジュールの見える化

大学ごとに出願日や面接日が異なるため、親子で共有カレンダーを作っておくのが効果的です。
「この日は書類提出の締切」「この日はオンライン面接」など、一緒に整理しておくだけでお子さんの安心感は大きく変わります。焦って混乱するより、“見える化”で落ち着いて準備を進めることができます。

② 子どもの「考え」を聞く時間を作る

「どの大学を受けたいの?」ではなく、「その大学で何を学びたいの?」と聞いてみましょう。
IBで学んだ生徒は、目標や動機を“自分の言葉で考える”ことに価値を感じます。

親がそのプロセスに寄り添うことで、お子さんの自己理解が深まり、面接やエッセイでも自然に表現できるようになります。

③ 焦らせない勇気を持つ

帰国子女入試は一般入試のように偏差値で測れない分、「本当に大丈夫かな?」と不安になる親御さんも少なくありません。

ですが、IB生は“自分のペースで考え、行動する”ことに長けています。「あなたのペースで大丈夫」と伝えることが、最大の励ましになります。

④ 誠実さと主体性を見守る

IB生のエッセイやEE(Extended Essay)は、“自分の意見を持つこと”が評価されます。
完璧な答えを出すことよりも、“自分の言葉で語ること”が最も大切です。

受験期の子どもは「こう書いた方が評価が高いかも」と迷うこともありますが、親が「あなたらしい考え方でいい」と伝えることで、自信を持って自分の軸を大切にできるようになります。


受験は“結果の勝負”ではなく、“自分の考えを誠実に表現する挑戦”でもあるのです。


大学帰国子女入試チェックリスト

項目内容
成績IB Final Grade(5月組=7月発表/11月組=1月発表)を提出
書類成績証明・推薦書・帰国証明・英語資格証明
出願時期私立大は8〜10月、国公立は1〜2月が中心
エッセイ志望理由書・Personal Statementを早めに完成
面接IB経験やEEテーマを自分の言葉で語る練習をする
親の役割スケジュールの見守り・精神的支え・環境づくり

まとめ

帰国子女入試は、「何を知っているか」よりも「どう考えてきたか」が問われる入試です。
IBで育まれた「自分の言葉で世界を語る力」は、どの大学でも大きな強みになります。

親御さんにできることは、勉強を手伝うことではなく、
「この子の努力を、ちゃんと見ているよ」と伝えること。
焦らず、比較せず、静かに見守ることが、最も確かなサポートです。

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